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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻3号

1983年03月発行

講座 図解病態のしくみ 神経・筋疾患・3

脳幹症候群—各障害部位における主要症状と交代制片麻痺

著者: 平井俊策1

所属機関: 1群馬大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.489 - P.494

文献概要

 脳幹とは,解剖学上は脳の中から外套と小脳を除いた残りの領域全体を指しているが,一般には中脳,橋,延髄を総称する言葉として使われており,ここでもこの意味で脳幹という言葉を用いることにする.
 この領域が脳全体に占める容積は比較的少ないが,この部は動眼神経(第III脳神経)から舌下神経(第XII脳神経)に至る脳神経核を含み,また錐体外路系の重要な核である赤核,黒質などもここに存在する.さらにここは大脳と脊髄との連絡路であって,狭いところを上行線維,下行線維が一定の配列で密に走っている.また,小脳に入り,あるいは小脳から出る線維が,すべて脳幹を通ることも,この領域の臨床症状を理解するうえで大切な点である.しかも,この領域には意識の維持に重要な役割を占める脳幹網様体がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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