文献詳細
文献概要
今月の主題 膵疾患診療のトピックス 形態学的診断法
血管造影法—小膵癌の診断限界
著者: 有山襄1 炭田正孝1 島口晴耕1
所属機関: 1順天堂大学医学部・消化器内科
ページ範囲:P.545 - P.547
文献購入ページに移動血管造影は膵疾患の良悪性の鑑別と小膵癌の確定診断に役立つ.大きな進行した膵癌はUS,CTで診断できるので,ERCPや血管造影を行う必要はない.しかし,小膵癌の診断にはERCPで存在診断,血管造影で質的診断を行うことが必要である.
膵癌の90%以上は主膵管または1次分枝の膵管上皮から発生し,小さな腫瘍でも主膵管に閉塞・狭窄がみられる1).したがって,ERCPは膵癌の存在診断にもっとも有効である.膵管の閉塞・狭窄は膵癌,慢性膵炎,膵嚢胞などいろいろな膵疾患でみられ,鑑別が必要になる.この目的に血管造影が有効である.
掲載誌情報