icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina20巻4号

1983年04月発行

文献概要

今月の主題 膵疾患診療のトピックス 生化学的診断法

PFD—臨床上の位置づけ

著者: 衣笠勝彦1 片岡慶正1

所属機関: 1京都府立医科大学・第3内科

ページ範囲:P.558 - P.559

文献購入ページに移動
 膵外分泌機能検査としては,現在,わが国ではPS試験が最も信頼できるものとして施行されているが,手技が煩雑で患者に対する負担も大きいので,簡便な膵外分泌機能検査の出現が待たれていた.
 PFD(Pancreatic Function Diagnostant)はキモトリプシンで特異的に分解され,PABAを遊離する合成ペプタイドであるN-benzoyl-L-tyrosyl-p-aminobenzoic acid(BT-PABA)を経口投与し,6時間の尿中PABA排出量で判定する検査である.PFDはPS試験の2因子障害以上の膵外分泌機能障害で異常となり,しかもPS試験の3因子のそれぞれと有意に相関しており,膵外分泌機能を正確に反映している.しかし,PFDはPABAの吸収,抱合,排泄に影響を受けるので,吸収不良症,肝硬変症,腎障害などの患者や高齢者では,判定に注意を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?