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多発性内分泌腺腫症(MEN)—Type I
著者: 大根田昭1
所属機関: 1東北大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.588 - P.589
文献購入ページに移動 同一の個体に2つ以上の内分泌腺の機能性腫瘍を有するものは,多発性内分泌腺腫症(Multiple Endocrine Neoplasia,MEN)と呼ばれている.このようなMENのうち,下垂体,副甲状腺および膵内分泌腺に腫瘍があるものはType I(MEN I,Wermer's syndrome)と呼ばれている.これに対し,褐色細胞腫,甲状腺,副甲状腺の腫瘍が合併するものはType II(MEN II,IIa,Sipple's syndrome)と呼ばれ,さらにこれに眼瞼,口唇,舌などに粘膜神経腫を合併するものはType IIbまたはType IIIと呼ばれている.
このような,内分泌腺にみられる多発性の腫瘍は,1903年にErdheimによって,下垂体と副甲状腺の腫瘍として報告されている.その後,散発的に報告されているが,1953年にUnderdahlらは,それまでに報告されたMEN Iの14例とMayo Clinicの8例をまとめて報告した.しかし,1954年にはWermerは家族性に発生したMEN Iを観察し,常染色体優性の遺伝形式をとることを発表した.このようなMEN Iは1963年までにBallardらによって85例が集計され,その後1979年までにはEberleらによって122例が追加されている.
このような,内分泌腺にみられる多発性の腫瘍は,1903年にErdheimによって,下垂体と副甲状腺の腫瘍として報告されている.その後,散発的に報告されているが,1953年にUnderdahlらは,それまでに報告されたMEN Iの14例とMayo Clinicの8例をまとめて報告した.しかし,1954年にはWermerは家族性に発生したMEN Iを観察し,常染色体優性の遺伝形式をとることを発表した.このようなMEN Iは1963年までにBallardらによって85例が集計され,その後1979年までにはEberleらによって122例が追加されている.
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