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カラーグラフ 臨床医のための甲状腺生検
未分化癌の細胞診所見(1)—巨細胞癌
著者: 藤本吉秀1 小原孝男1 平山章2
所属機関: 1東京女子医科大学・内分泌外科 2東京女子医科大学病院病理科
ページ範囲:P.784 - P.785
文献購入ページに移動未分化癌は60歳以上の高齢者に多くみられ,男女比が1:2程度で,分化癌ほどの性差を示さない.局所所見では,急速に増大した径5cm以上の甲状腺腫瘤が大半を占め,腫瘤は隣接臓器に浸潤して可動性を欠くものが多い.患者は,頸部の疼痛,嗄声,呼吸困難,嚥下障害など,周囲組織への浸潤圧迫による症状を強く訴える.また,局所の圧痛,熱感,発赤を伴い,食思不振,全身倦怠感,発熱などの全身的反応を起こし,貧血,白血球増多,血沈亢進を示すことが多い.
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