icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina20巻5号

1983年05月発行

文献概要

グラフ 臨床医のための電顕写真 血液・1

急性骨髄性白血病

著者: 小川哲平1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.794 - P.797

文献購入ページに移動
 急性白血病の分類は,French-American-Britisch Cooperative groupにより,いわゆるFAB分類が提唱され,広く用いられるようになってきた.急性骨髄性白血病は,このFAB分類ではM1,M2の2型に分けられている.M1はmyeloblastic leukemia without maturationと定義され,芽球は顆粒がないか,あるいは数個の顆粒,アウエル小体を有することがある.ペルオキシダーゼ反応は,芽球の3%以上に陽性である.M2はmyeloblastic leukemia with maturationとされ,前骨髄球を越えて成熟するとされている.
 急性骨髄性白血病の電顕所見は,骨髄芽球および前骨髄球で占められる白血病細胞がみられる.核は類円形またはゆるやかな弯入を示すことが多く,時に深い切れ込みを示す.核質はほぼ均質で,核縁のクロマチンの濃縮はなく,明瞭な核小体が認められる.細胞の辺縁は比較的に平滑であり,細胞質には豊富なポリゾームが存在する.ミトコンドリア,粗面小胞体,ゴルジ装置の発達は,症例や細胞によりかなりの差異がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら