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講座 図解病態のしくみ 神経・筋疾患・5
不随意運動,Parkinson病
著者: 柳沢信夫1
所属機関: 1信州大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.851 - P.857
文献購入ページに移動不随意運動は,意志によらずにあらわれる運動である.しかし反射やよく訓練されたきまった形の定常運動(stereotyped movement)や連合運動においても運動発現に際して意志がはたらくとはいえないが,これらは臨床の立場では不随意運動とはよばない.すなわち不随意運動は運動神経系の障害によってあらわれる異常な,目的に沿わない運動という意味をもつ(図1).
このような不随意運動は,脳基底核の障害による奇妙な運動の諸型すなわち舞踏病(chorea),バリスム(ballism),アテトーゼ(athetosis),ジストニー(dystonia),と振戦,ミオクローヌスが主なものである.これらの不随意運動のかたちをきめるのは罹患筋の不随意筋収縮であり,それは筋電図として記録され,それぞれに特徴的な所見を示す(図2).
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