文献詳細
今月の主題 不整脈のトピックス
不整脈の基礎
文献概要
不整脈の成因には大きく分けて,①刺激生成の異常,②興奮伝導の異常とが挙げられる.刺激生成の異常には,本来のペースメーカーである洞結節の機能亢進,逆にその機能低下のため下位の中枢がそれにとってかわる場合,洞結節以外の部位に刺激生成が亢進する場合などがある.後者は異所性自動能亢進と呼ばれ,この中には生理的な条件で特殊心筋にみられる緩徐拡張期脱分極による自動能の他に,病的ないし異常な条件でみられる自動能(これを異常自動能と称する)などいくつかの機序が含まれる.トリガード・アクティビティ(triggered-activity"誘発活動"と訳す)はこの異常自動能の中に含まれるもので,最近不整脈の成因として注目されてきたものである.いずれにしても,どの機序によるものであっても,刺激生成の異常は心筋細胞固有の活動としてあらわれてくるものである.
一方,興奮伝導の異常は細胞と細胞,組織と組織の間を興奮が伝導してゆく過程に生じる異常であり,伝導遅延,ブロック(block)とリエントリー(re-entry)がその主なものである(表1).
一方,興奮伝導の異常は細胞と細胞,組織と組織の間を興奮が伝導してゆく過程に生じる異常であり,伝導遅延,ブロック(block)とリエントリー(re-entry)がその主なものである(表1).
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