icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina20巻7号

1983年07月発行

文献概要

カラーグラフ 臨床医のための甲状腺生検

腺腫様甲状腺腫の細胞診所見

著者: 藤本吉秀1 小原孝男1 平山章2

所属機関: 1東京女子医科大学・内分泌外科 2東京女子医科大学病院・病理科

ページ範囲:P.1148 - P.1149

文献購入ページに移動
 腺腫様甲状腺腫は,多中心性に甲状腺濾胞上皮の過形成とコロイド貯留が起こり,そこに出血,壊死,結合織増生,石灰沈着などの2次的退行性変化が加わり,過形成と退行性変化とがくり返し起こることによって多発性結節の形をとる疾患である.病因は,外国のヨード不足地帯のものを除くと不明である.しかし,家族性発生の認められるものが多く,何らかの遺伝性代謝異常が関与している可能性が高い.
 病理組織学的に腺腫様甲状腺腫は2つに分類できる.すなわち,①甲状腺全体に大小多数の結節が生じ,個々の結節の境界は不明瞭で,結節以外にほとんど正常な甲状腺組織の残っていない,狭義の腺腫様甲状腺腫(図1)と,②数個の結節が生じているが,結節間の甲状腺組織はほぼ正常である,いわゆる腺腫様結節(図2)がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら