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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻8号

1983年08月発行

今月の主題 臨床医のための神経内科学

注目されている疾患

Tolosa-Hunt症候群

著者: 後藤文男1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.1292 - P.1294

文献概要

疾患概念の確立と命名
 1954年Tolosa1)は片側眼窩痛を伴う片側眼筋麻痺の1症例を報告し,その原因が内頚動脈海綿洞部周囲の肉芽腫性炎症によるとした.1961年にはHunt2)が同様の症状を示す6例を報告するとともに,本症候群のおおまかな診断基準を記載した.彼はこれを"painful ophthalmoplegia"として,Charcotの記載した"ophthalmoplegic migraine"と区別した.その後,Smith & Taxdal3)はさらに同様の5症例を報告するとともに,これらの症状に対して副腎皮質ステロイドが著効を呈することを強調した.彼らは,これらの症例が明らかに独立した1疾患単位であるとして,"Tolosa-Hunt Syndrome"と命名した.ここに本症の疾患概念が確立したといってよい.
 筆者は厚生省ウイリス動脈輪閉塞症研究班の研究4,5)の一環として,日本におけるTolosa-Hunt症候群56例の統計的分析を行う機会があったので,このデータを中心にして本症の病態を解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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