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文献詳細

雑誌文献

medicina20巻8号

1983年08月発行

文献概要

グラフ 臨床医のための電顕写真 血液・4

急性リンパ球性白血病とペルオキシダーゼ急性白血病

著者: 小川哲平1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.1342 - P.1346

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 急性リンパ球性白血病(acute lymphoblastic leukemia,ALL)は表面マーカー,モノクロナール抗体,terminal deoxynucleotidyl transferase(TdT)などによる免疫学的な検索が近年急速に発展し,その分化成熟段階による解析が進みつつある.
 一方FAB分類では,急性白血病において,ペルオキシダーゼ反応が,芽球の3%未満の場合にALLと規定している.これは急性白血病患者の骨髄でも,正常な骨髄芽球が3%程度は存在するであろうという理解に基づいている.ALLはL1,L2,L3の3型に分類される.L1は小児に多く,common ALLによくみられる.細胞の大きさが小リンパ球の2倍位までの小細胞性で,核の型は比較的に整っていて,核小体はあっても小型で不明瞭である.細胞質は少なく,好塩基性が弱い.このような細胞が比較的均一に存在することが特徴である.L2は小リンパ球の2倍以上の大型の細胞で,核の形は不整で,核構造は微細なものが多い.核小体は存在し明瞭である.細胞の大きさや核の形に多様性がみられるのが特徴である.L3(Burkitt type)は大型の細胞で均一性があり,B細胞である.核の形は整って,核小体がある.好塩基性の強い豊かな細胞質を持ち空胞が目立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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