icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina20巻8号

1983年08月発行

グラフ NMR-CT

NMR-CTの頭部への応用(1)

著者: 池平博夫1 福田信男1 館野之男1

所属機関: 1放射線医学総合研究所・臨床研究部

ページ範囲:P.1354 - P.1356

文献概要

 NMR-CTではX線CTと異なり,骨のイメージが陰性像となることと,軟部組織間のコントラストが強くつくことなどによって,頭部,とくに脳の形態や脳実質の病変,あるいはX線CTで骨のアーティファクトの生じる後頭蓋窩の病変検索に有用である.
 頭部は頭部専用のRFコイルを製作することによって,脳の範囲に有効視野をしぼることが可能で,S/N比と分解能を向上させることができる.さらに呼吸などの動きで生じるアーティファクトによる画質劣下が少ないために,比較的容易に良質な画像が得られる部分である.脳に生じる病変は,大抵の場合神経学的な検査法による局在部位の推定と,X線CTによる形態的変化によって診断されることが多く,脳のように直視することのできない臓器については非侵襲的な検査法が望まれる.X線CTはその意味で画期的な手法であったが,骨によるアーティファクトや脳の軟部組織のコントラスト分解能の点で,NMR-CTでは水素の緩和時間の情報を含んだ画像が得られ,軟部組織の微妙な変化を捕えるのに非常に鋭敏で,X線CTに優る手法であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら