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今月の主題 肝硬変と肝癌 肝硬変の代謝異常とその対策—肝癌との関連から
アミノ酸
著者: 平山千里1 加藤誠一1 谷本浩一1
所属機関: 1鳥取大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.1504 - P.1506
文献購入ページに移動血漿遊離アミノ酸は生体アミノ酸プールの一部を構成しているが,血漿遊離アミノ酸濃度はアミノ酸の血漿への流入と流出によって支配される.アミノ酸の流入は,食餌中のアミノ酸量,消化管からの吸収速度のほか,生体蛋白の分解速度,非必須アミノ酸の合成速度などによるが,流出量は生体組織のアミノ酸摂取速度によっている.各種肝疾患においては,主としてアミノ酸の血漿中への吸収量,肝における代謝異常と末梢における利用が変動するため血漿アミノ酸濃度が変動する.
肝硬変では食餌蛋白量の低下や,蛋白質の消化,吸収などの障害によってアミノ酸の血漿内への流入が低下しているが,肝を中心とするアミノ酸代謝異常によって血漿のアミノ酸は一般に増加する場合が多い.たとえば芳香族アミノ酸,すなわちTrp,Phe,Tyr,またMetなどはその血漿濃度が増加する.しかし分枝鎖アミノ酸,すなわち,Val,Leu,lleuなどは末梢での消費が亢進する場合が多く,その血漿濃度は一般に減少する.
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