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今月の主題 肝硬変と肝癌 肝硬変の代謝異常とその対策—肝癌との関連から
脂質
著者: 荒木英爾1
所属機関: 1国立がんセンター病院・臨床検査部生化学検査室
ページ範囲:P.1516 - P.1518
文献購入ページに移動 肝硬変に伴う脂質代謝の異常は,肝での脂質合成の低下,腸管からの脂質の吸収障害などをもととして進展し,そこに肝胆道系の閉塞,肝細胞癌(HCC)に前駆する可逆的な代謝異常などが加わって成立するものと考えられる.それらの異常は経過とともに血漿リポ蛋白の変化をひき起こし,血漿と動的平衡を保つ細胞膜を変化させて,次第に全身的な複雑な病変へと移行する(図1).本稿ではそれらの病変に伴う脂質代謝の異常と,肝の前悪性病変で見出されている脂質代謝について記述する.
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