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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻1号

1984年01月発行

文献概要

今月の主題 新しい栄養療法 完全静脈栄養法(TPN)

脂肪乳剤の臨床的意義

著者: 真島吉也1

所属機関: 1千葉大学医学部・第1外科

ページ範囲:P.36 - P.37

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 わが国で入手できる静注用脂肪乳剤には10%大豆油脂肪乳剤のイントラリピド,イントラファット,イントラリポス,ベノリピッドがある.このうちベノリピッドは乳化剤として大豆油リン脂質を用い,他はすべて卵黄レシチンを用いている.いずれも脂肪以外にグリセリンを添加し,体液と等浸透圧を保ち,含有エネルギー量は1.1kcal/mlである.これは同じく等浸透圧の5%ブドウ糖液に比べると,5倍の高いエネルギーを含むことになる.
 元来この脂肪乳剤は,末梢静脈からの完全静脈栄養を行う際の主なエネルギー源として開発された.脂肪乳剤の歴史を要約すれば,1920年代わが国の小川らのYanolに端を発し,種々の経過を経て1960年代の前半にスウェーデンのWretlindらにより臨床的に安全に使用できる製剤として完成された.この脂肪乳剤にアミノ酸製剤や10%前後のブドウ糖液に電解質を加えた末梢静脈輸液により,患者の生命を維持するに十分な栄養が可能となった1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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