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今月の主題 新しい栄養療法 各種疾患における栄養療法
肝不全と分岐鎖アミノ酸(BCAA)
著者: 福島秀夫1
所属機関: 1筑波大学体育科学系・安全保健学
ページ範囲:P.62 - P.65
文献購入ページに移動 重篤な肝疾患では,肝機能が強く障害され,ついにその機能の代償が困難となり,肝不全の状態となる.肝疾患による脳症発現に最も深い関連をもつのは,肝のアミノ酸処理能と尿素生成能の低下であり,このアミノ酸代謝障害の改善を目的として分岐鎖アミノ酸(BCAA:branched chainamino acids)による栄養治療が考案され,脳症改善に速効的な治療効果をあげていることは,長年にわたる肝疾患におけるアミノ酸代謝研究の歴史上,輝かしい成果といえる.
一方で,これらのBCAAによる脳症覚醒効果の機構の追求が契機となって,肝の窒素代謝機能の維持に他の臓器・組織,とくに筋の関与の重要性が認識され,この領域に研究の進展をみていることは特記すべきであろう.
一方で,これらのBCAAによる脳症覚醒効果の機構の追求が契機となって,肝の窒素代謝機能の維持に他の臓器・組織,とくに筋の関与の重要性が認識され,この領域に研究の進展をみていることは特記すべきであろう.
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