icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina21巻1号

1984年01月発行

文献概要

今月の主題 新しい栄養療法 各種疾患における栄養療法

腎不全とアミノ酸輸液

著者: 折田義正1 安東明夫2

所属機関: 1大阪大学医学部・第1内科 2大阪大学健康体育部

ページ範囲:P.66 - P.68

文献購入ページに移動
 腎不全とは腎機能が極度に低下し,体液恒常性を維持できなくなった状態をいい,これにより水・電解質異常,酸塩基平衡障害,高窒素血症を呈してくる.この結果各種の症状を伴う尿毒症においては蛋白・アミノ酸代謝,糖代謝,脂質代謝はすべて異常をきたす可能性があり,相互に関与して悪循環しながらwasting syndromeとしての病態を成立させる.
  とくに,腎にその代謝産物排泄の主経路をもつ蛋白・アミノ酸の代謝異常は古くから知られ,その治療法である蛋白摂取制限による予後延長効果は1世紀近い以前より認められている.しかし,蛋白負荷を軽減するという消極的保存療法では,窒素バランスは負となる.1963年,Giordano1)は,腎不全患者の血漿アミノ酸異常に注目し,低蛋白食療法下で必須アミノ酸を補充する試みを行った、これは,彼らの意図は別としても,栄養制御により,腎不全時の代謝異常を治療しようとする積極的保存療法であると評価できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら