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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻10号

1984年10月発行

今月の主題 リンパ系疾患へのアプローチ

リンパ系の発生と解剖

リンパ球の発生と組織への移行

著者: 成内秀雄1

所属機関: 1東京大学医科学研究所・アレルギー学

ページ範囲:P.1714 - P.1718

文献概要

 リンパ球はT細胞,B細胞と呼ばれる集団に大別される.両者はいずれもpluripotent stem cellsから,細胞の置かれた環境とあらかじめプログラムされた細胞内の情報によって分化すると考えられている.T細胞系の細胞は胸腺内で分化すると考えられている.すなわち胸腺はT細胞系の中枢と考えられる.一方,B細胞系の細胞は鳥類を除き一定の中枢的器官をもたない.鳥類では総排泄口近くの腸管にFabricius嚢があって,これがB細胞の分化の中枢と考える人が多い.Abramsonらの実験より,これらT,B細胞はリンパ球以外の各種の細胞に分化し得るpluripotent stem cellsから,一旦分化の方向の決まったstem cellsに分化し,これらが各々対応する環境下で各種の機能をもつリンパ球に分化すると考えられる1)(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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