今月の主題 リンパ系疾患へのアプローチ
リンパ系疾患の臨床
Angioimmunoblastic Lymphadenopathy
著者:
北原光夫12
所属機関:
1東京都済生会中央病院・内科
2慶応義塾大学医学部・内科
ページ範囲:P.1750 - P.1751
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angioimmunoblastic lymphadenopathyは,Frizzeraらによって1974年に発表された症候群である.その後1975年に,さらに多くの症例を集めて臨床的,病理的に研究したところ,悪性腫瘍性変化のみられないリンパ腫様症候群であるとされた.高γグロブリン血症を伴うため,angioimmunoblastic lymphadenopathy with dysproteinemia(AILD)とよばれる.さらに全身性リンパ節腫脹,肝脾腫,皮疹などが伴う.病理学的にはリンパ節の正常構造の破壊がみられ,カプセルへの浸潤が存在することも証明されている.リンパ節には活性化したリンパ球,形質細胞,リンパ芽球が存在しているが,悪性変化はみられないとしている.
一方,Lukesらは別個に,immunoblastic lymphadenopathy(IBL)という概念の症候群を発表した.形態学的には,①リンパ芽球の増殖,②小血管構造の増殖,③間質組織への無構造物質の蓄積である.また,組織球の出現,好酸球の浸潤など,ホジキン病に類した変化もみられる.