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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻11号

1984年11月発行

文献概要

今月の主題 脳血管障害のトピックス 病態生理

凝血面

著者: 塩栄夫1

所属機関: 1京都大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.1912 - P.1913

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血液の凝固性と脳血管障害
 種々の出血性素因における頭蓋内出血は,ことに若年者の脳血管障害の一つとして忘れることのできないものである.これまでの血液学的検査法は出血性疾患の診断には十分な発達を遂げているが,一方最近重要な位置を占め始めた虚血性脳血管障害における血液学的な所見は,単に出血の裏返しといえない面を持っている.凝固亢進状態はどのようにとらえられるか,またそれが血栓症にどうつながるかについてはまだ十分な知見が得られていない.
 凝固因子活性の増大,あるいは阻害因子の減少は一種の前血栓状態と考えることができる.よく引用される例は家族性のAntithrombin III(AT III)欠損症で,血栓症の多発との関係が報告されている.AT IIIレベルが低下する状態として妊娠,経口避妊薬や前立腺肥大治療薬の使用(エストロジェン)などがあり,脳梗塞の発症頻度を増大させるといわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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