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文献概要
今月の主題 脳血管障害のトピックス 注目される症候
失調性片麻痺
著者: 平井俊策1
所属機関: 1群馬大学医学部・神経内科
ページ範囲:P.1921 - P.1921
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Fisherは小梗塞に基づく特殊な症候群をlacunar strokeと呼び,①pure motor hemiparesis,②pure sensory stroke,③homolateral ataxia and crural paresis1),④dysarthria-clumsy hand syndrome2)の4型をまず報告した.このうち③は1965年に彼がColeとともに発表したもので,一側の不全麻痺と同じ側の失調症を呈することが特徴である.④もこれとよく似るが,④が構語障害を示し上肢の不全麻痺と失調を示すのに対し,③は構語障害がなく上肢の麻痺,失調はあっても軽度で,下肢の不全麻痺と失調とが目立つ点が異なるとされた.1965年の発表は14例を経験したとして,その中の5例を症例報告したもので当時剖検例は得られていなかった.しかし1978年にかかる症候群を呈した3症例の剖検結果をFisherは報告し3),従来のhomolateral ataxia and crural paresisという名称の代りにataxic hemiparesisという名称を使うことを提唱した.その後彼はlacunar strokeを21型に分けている4)が,その是非はともかくとして,この分類ではataxic hemiparesisとdysarthria-clumsy hand syndromeとを別に分けている.
Fisherは小梗塞に基づく特殊な症候群をlacunar strokeと呼び,①pure motor hemiparesis,②pure sensory stroke,③homolateral ataxia and crural paresis1),④dysarthria-clumsy hand syndrome2)の4型をまず報告した.このうち③は1965年に彼がColeとともに発表したもので,一側の不全麻痺と同じ側の失調症を呈することが特徴である.④もこれとよく似るが,④が構語障害を示し上肢の不全麻痺と失調を示すのに対し,③は構語障害がなく上肢の麻痺,失調はあっても軽度で,下肢の不全麻痺と失調とが目立つ点が異なるとされた.1965年の発表は14例を経験したとして,その中の5例を症例報告したもので当時剖検例は得られていなかった.しかし1978年にかかる症候群を呈した3症例の剖検結果をFisherは報告し3),従来のhomolateral ataxia and crural paresisという名称の代りにataxic hemiparesisという名称を使うことを提唱した.その後彼はlacunar strokeを21型に分けている4)が,その是非はともかくとして,この分類ではataxic hemiparesisとdysarthria-clumsy hand syndromeとを別に分けている.
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