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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻11号

1984年11月発行

今月の主題 脳血管障害のトピックス

非定型的脳血管障害

巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)

著者: 亀山正邦1

所属機関: 1京都大学医学部・神経内科

ページ範囲:P.1958 - P.1959

文献概要

巨細胞性動脈炎とは
 巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis, GCA)は,一般には側頭動脈炎,または頭蓋動脈炎と同じものとして取り扱われている.しかし,これらの命名のおのおのにいくつかの問題がある.たとえば,側頭動脈炎のすべての例で生検(あるいは剖検)動脈に巨細胞が証明されるとは限らない.側頭動脈炎では同時に頭蓋部の他の動脈にも炎症をみることが多く,側頭動脈炎よりは頭蓋動脈炎のほうがよりよく事実に適合するようにもみえる.しかし,頭蓋動脈炎と呼ぶにしても,他の中等大の全身の動脈系—たとえば,冠,肝,腎,四肢などの動脈にも同時に炎症をみることがあり,頭蓋のみに限ったものではない.
 またGCAでは,組織所見から動脈炎巣内に巨細胞をみることを特徴としているが,高安病や結節性動脈炎でも巨細胞をみることがある.まれには脳の巨細胞性肉芽腫性血管炎1)がみられるが,これはGCAとはまったく別個の疾患と考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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