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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集 Ⅰ.尿検査

15.ヘモグロビン尿

著者: 新倉春男1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院・内科

ページ範囲:P.2110 - P.2111

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ヘモグロビン分解とヘモグロビン尿出現機序
 正常では,寿命のつきた赤血球は網内系細胞に捕捉され崩壊し,ヘモグロビンの分解も網内系細胞内で行われる.したがって,血漿中に遊離してくるヘモグロビンはきわめて微量(0.3mg/dl1))である.血漿中に遊離したヘモグロビンはヘモグロビン特異的結合蛋白であるハプトグロビンに結合し,複合体を形成する.この高分子複合体は網内系(主として肝臓)で処理され,ヘムは鉄と非抱合(間接)ビリルビンに,グロビンはアミノ酸に分解代謝される.
 多くの溶血性疾患においても,通常は網内系細胞でヘモグロビンはほとんど処理されるので,血漿遊離ヘモグロビンが著明に増加することはない(血管外溶血).一方,血流中で赤血球が崩壊すると,ヘモグロビンは血漿中に遊離する(血管内溶血).遊離ヘモグロビンが少量であれば,血漿中には十分量のハプトグロビンが存在するので,ヘモグロビンの処理はほぼ完全に行えるが,長期間溶血が持続しているためハプトグロビンが消耗している場合や,正常量(成人152±83mg/dl2))のハプトグロビンが存在していても,ハプトグロビンのヘモグロビン結合能を超える量のヘモグロビンが一時に遊離した場合,ヘモグロビンを処理しきれなくなり,ヘモグロビン血症が起こる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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