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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集 Ⅲ.髄液検査

26.髄液血球(赤血球・白血球)

著者: 角田孝穂1

所属機関: 1新松戸中央病院

ページ範囲:P.2142 - P.2143

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異常値を示す疾患
 正常な髄液には,わずかなリンパ球と稀に内皮細胞がみられる.リンパ球数は成人では1mm3に2〜3個で,5個以上の細胞が存在すれば細胞増多症という.1歳未満では10個以上を病的とする.細胞増多症では細胞の種類と細胞数が問題となる.細胞は多核白血球とリンパ球が主で,わずかな好酸球,形質球あるいは白血病細胞や腫瘍細胞を含むこともある.一般に細胞の種類を多核球(多核白血球)と単核球(リンパ球)に区分する.細胞数の算定は赤血球を除外して,それ以外の細胞を数える.
 細胞増多をきたす主な疾患と細胞の概数およびその種類は表のとおりである.このほかにトキソプラズマ,日本住血吸虫症,ブルセラ症,伝染性単核症,脳血管障害,硬膜下血腫,ベーチェット,サルコイドーシス,腰椎穿刺後,造影剤や薬剤などの髄腔内注入などで,軽〜中等度の細胞増多がみられ,脳脊髄寄生虫症では髄液中に好酸球をみることも多い.なお,髄膜症では細胞の増多はない.新生児は髄液中に数個の赤血球をみるが,成人では赤血球を認めない.きわめて大量の赤血球を認めたときはクモ膜下出血か脳内出血の脳室穿破で,まれに脊髄出血などのこともある.ヘルペス脳炎に赤血球を認めるのは特徴的であるが,その程度は一定でない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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