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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集 Ⅶ.免疫血清検査

66.寒冷凝集反応

著者: 荒田孚1

所属機関: 1日赤医療センター・内科

ページ範囲:P.2248 - P.2249

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異常値を示す疾患
 異常値を示す疾患群を表1に掲げる.寒冷凝集反応は健康人の血清中にも,ある程度存在するといわれるから,ここでの異常値の意味は,ある限度を超えて高値を示す値ということになる.寒冷凝集反応陽性の疾患は多様である.つまり寒冷凝集素は非特異なものであるから,この反応が診断の決め手となる疾患は限られている.
 本凝集素の発見の歴史は古く,Petersonらにより疾患との関連が報告されてから,原発性非定型(異型)肺炎との関連において,本凝集素は注目されてきた.本凝集素はABO式血液型とは無関係に,低温でヒトまたはある種の動物の赤血球を凝集する抗体であるが,自己の赤血球とも低温で反応する一群の冷式自己抗体である.従来,本凝集素は主としてIgMに属するκ型の免疫グロブリンと考えられてきたが,IgM(λ),IgG,IgAに属するものの存在もわかってきた.また,赤血球膜の種々の表面抗原に対する抗体特異性とか,単クローン性か多クローン性か,などの面より,本凝集素の研究は進められている(表2).しかし,それらの種類,発現機構,生理的意義はまだよくわかっていない.現段階では,上述の研究成果が臨床上,診断・治療にただちに結びつく状態ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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