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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集 Ⅶ.免疫血清検査

69.ポール・バンネル(Paul-Bunnell)反応

著者: 熊谷直秀1

所属機関: 1養生院清川病院

ページ範囲:P.2254 - P.2257

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 伝染性単核症(Infectious mononucleosis;IM)は,EBウイルス(Epstein and Barr,1965)が成人または年長児になってから初感染したとき,生体の免疫応答によって生ずる病像の一つと考えられている.発熱,全身リンパ節腫脹,咽頭炎および扁桃炎,血液像の変化(多数の異型リンパ球を伴うリンパ球増多症),肝,脾の腫脹,肝機能障害などを呈するが,患者血清中には,特に白人(Caucasian)では一定期間,特有な異好性抗体(Heterophile antibody)が多量に出現している.この抗原抗体系の抗原はヒツジ,ウマ,ウシ,ヤギの赤血球に分布し,ヒツジまたはウマの赤血球凝集反応またはウシ血球の溶血反応によって検出される.最初の報告者の名をとりPaul-Bunnell反応と呼ばれるが,同様の異好性抗体であるForssman抗体や血清病抗体(Hanganatziu-Dei-cher抗体)との鑑別にはDavidsohn吸収試験を必要とする.これらを含めて異好性抗体試験(Heterophile antibody tests)という.
 欧米では成人のEBウイルス抗体陰性者が多く成人の初感染が稀でなく,IMはきわめて一般的な疾患である(英米の大学では,学生10万人につき年間1,000〜4,000人との報告がある).白人ではこの反応の陽性率もほぼ90%と高く,定型的なIMの診断規準の一つとなっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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