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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集 Ⅶ.免疫血清検査

81.α-フェトプロテイン(AFP)

著者: 遠藤康夫1

所属機関: 1東京大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2286 - P.2287

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異常値を示す疾患
 健康成人および小児の血中α-フェトプロテイン値は,乳幼児期をのぞいてRIA法で10ng/ml以下であるが**,病的状態では10ng/ml以下から数百万ng/mlにもわたって広く分布する.便宜上一元免疫拡散法により陽性となるものを高値例,一元免疫拡散法陰性だがRIA法で陽性のものを軽度ないし中等度増加例と分けて考えてみて,異常値を示す疾患を表に示した.前者のおよその血中レベルは5,000ng/ml以上である.
 著しい高値例は肝細胞癌およびヨークサック腫瘍の50〜80%の例にみられる.また稀ではあるが胃癌ないし膵癌の肝転移例にもみられ,α-フェトプロテイン値のみからでは肝細胞癌との鑑別が困難のことがある.両者の鑑別には後述するコンカナバリンA(ConA)との結合性分析が参考となる.乳幼児期には乳児肝炎,先天性胆道閉鎖症のさいにも高値例がみられるが,成人で一元免疫拡散法陽性の場合には肝細胞癌と診断してほぼ間違いがない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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