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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集

Ⅷ.血液化学検査

130.PAP(prostatic acid phosphatase)

著者: 北川龍一1 高橋茂喜1

所属機関: 1順天堂大学医学部・泌尿器科

ページ範囲:P.2412 - P.2413

文献概要

 いわゆる酸性フォスファターゼは酸性領域に至適pHをもつ,有機モノリン酸エステルを水解する酵素群である.この酵素は,ヒトではまず赤血球に存在が証明され,そのほか前立腺組織,肝臓,腎臓,脾臓,腸,副甲状腺,骨髄などに広く分布していることが証明されている.とくに前立腺には他臓器に比し多量の酸フォスファターゼが存在している.1936年Gutmanらによっで転移を有する前立腺癌患者では血中酸性フォスファターぜ値が高値を示すことが報告され,また,前立腺の酸性フォスファターゼ産生が性ホルモンによりコントロールされていることが報告されて以来,血中酸性フォスファターゼ値の測定が前立腺癌の診断,治療効果判定に広く用いられるようになった.しかし,酸性フォスファターゼは前述のごとく多くの組織に存在しており,前立腺癌に特異的なマーカーとはいえない.そのため多くの研究者により特異性の高い基質や阻害剤を使い,前立腺性酸フォスファターゼ(Prostatic Acid Phosphatase;PAP)のみを測定する試みがなされてきた.
 現在PAPの測定に使用されている方法としては,従来広く行われてきた酵素法としての,Bessy-Lowly法(PAP正常値:0.01〜0.15BLU),King-Armstrong法(PAP正常値:0.10KAU以下),Kind-King法(PAP正常値:0.8KAU以下)などがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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