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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集

Ⅷ.血液化学検査

132.GOT(AST),GPT(ALT)

著者: 平山千里1

所属機関: 1鳥取大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.2416 - P.2417

文献概要

異常値を示す疾患
 トランスアミナーゼ(一般名:aminotransferase)はアミノ酸の代謝に関与する酵素であり,ほとんどすべての細胞に存在しているが,量的には肝,心筋,骨格筋,脂肪組織,脳,腎などに多い.GOT(一般名:aspartate aminotransferase,AST)は心筋,肝のほか,骨格筋,腎,膵などに存在し,GPT(一般名:alanine aminotransferase,ALT)は肝に最も多く,次いで腎,心筋,骨格筋,膵,脾などにも存在する.
 GOT,GPTはピリドキサル燐酸を補酵素とし,細胞内では糸粒体(m)と上清(s)に分布している.血清GOT,GPTの正常値はそれぞれ8〜32,5〜29国際単位(SI)である.血清トランスアミナーゼはピリドキサル燐酸で飽和されていないため,その約20%はアポ酵素であるが,GPT活性はとくにピリドキサル燐酸濃度に影響をうける(図1).血清GOT,GPTは陰イオン交換樹脂や抗血清でmおよびsの異性酵素にわけることができる2).細胞内のGOT,GPT濃度は血清濃度の103〜4程度であるので,細胞膜の障害で血清中に逸脱する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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