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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集 Ⅹ.内分泌機能検査
159.トルブタマイド試験
著者: 平塚任1
所属機関: 1国立西埼玉中央病院・内科
ページ範囲:P.2484 - P.2486
文献購入ページに移動 トルブタマイド試験は1958年にUnger RHら1)によって軽症糖尿病の診断の目的で発表されたもので,1gのトルブタマイドナトリウムを蒸留水に溶解し,2分間で静注,血糖を注射前および注射の中間点から20分と30分後に採血して測定するものである.彼らは,安全かつ簡単で,患者に不快感を与えず,30分で終了するという利点を挙げている.その後トルブタマイド負荷後更に長時間にわたって頻回に採血し,血糖の他,血中インスリン濃度の測定を行い,種々の低血糖の鑑別に用いられ,最近は主としてインスリノーマの診断に繁用されるようになった.しかしわが国では1983年中に静注用のトルブタマイド溶液(ヘキスト)は入手し難くなっており,1984年6月の時点で市場に出ているのは,西独,伊,仏,英,加など計10数カ国である.米国ではアプジョーン社よりオリネースとして供給されているという.
トルブタマイド試験は現在なお多くの欧米の成書にも低血糖症あるいはインスリノーマに対するインスリン分泌刺激試験として記載されているが,今後わが国ではロイシン,グルカゴン,カルシウムなどの負荷試験によらなければならないと思われる.
トルブタマイド試験は現在なお多くの欧米の成書にも低血糖症あるいはインスリノーマに対するインスリン分泌刺激試験として記載されているが,今後わが国ではロイシン,グルカゴン,カルシウムなどの負荷試験によらなければならないと思われる.
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