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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻12号

1984年12月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集

Ⅺ.腎機能検査

168.クレアチニンクリアランス(Ccr)

著者: 永瀬宗重1 東條静夫1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科

ページ範囲:P.2510 - P.2511

文献概要

 Van Slykeにより導入されたクリアランスなる概念は,Cx=Ux・V/Px(ただしCはクリアランス,Uは尿中濃度,Vは尿量,Pは血中濃度)で示され,内因性,外因性の各種物質について測定されうるが,その物質の腎における排泄様式によって生理学的意味づけは異なってくる.ここでは腎クリアランスの中で頻用されるクレアチニンクリアランス(Ccr)について概説する.クレアチニンは糸球体で主として限外濾過された後,尿細管で一部排泄がつけ加えられるため,次項(p. 2512)のチオ硫酸ナトリウムクリアランス(Cthio)のように,真の糸球体濾過値(GFR)を反映するものではない.しかし正常ないし中等度の腎機能低下群ではCcr/Cthio=0.8〜1.2でよく一致する.
 クレアチニンは骨格筋の終末代謝産物であって,外因性の食餌蛋白に直接依存せず,その血中濃度は日内変動が少ない(10%以下).尿量も0.5ml/min以下でなければ排泄態度への影響が少ない性質を有するため長時間クリアランス法として有用であり,また内因性物質であるため特別の負荷を要せず頻回の測定が可能である.また採尿が正確に行われれば,外来での短時間クリアランス(30分〜2時間)も可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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