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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻13号

1984年12月発行

文献概要

今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患とは

肺気腫

著者: 滝沢敬夫1

所属機関: 1東京女子医科大学・内科

ページ範囲:P.2598 - P.2599

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肺気腫とは
 気腫という言葉はもともとギリシャ語の"em-physan"に由来し,"ふくらます"ことを意味している.肺のふくらむ疾患—肺気腫—が一つの病態として把えられたのは1819年Laennecの報告にまでさかのぼるが,その臨床的概念や病像が国際的な観点で真剣に論じられるようになったのは,1959年Ciba Guest Sym-posium以来のことである.化学療法剤の開発にともなって感染性肺疾患が抑えられる一方,近代工業の発達にともなう大気汚染,人口の老齢化などが肺気腫をはじめとする非特異的肺疾患の増加に拍車をかけ,しかも肺機能検査法の進歩がこれらの病態を臨床的にも浮きぼりにするようになったからである.
 このCiba Guest Symposiumは当時,肺気腫という用語が臨床的に乱用されている実状をふり返り,その定義,分類,用語法を,近縁疾患(気管支喘息,慢性気管支炎)とともに再整理し,統一をはかることを目的としたもので,その内容は近年における肺気腫の疾病概念を基礎づけたものということができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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