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今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患とは
びまん性汎細気管支炎
著者: 田村昌士1
所属機関: 1岩手医科大学・第3内科
ページ範囲:P.2600 - P.2602
文献購入ページに移動 従来,細気管支炎は中毒性ガスの吸入,ウイルスなどによる呼吸器感染症,あるいは異物を誤嚥して起こる閉塞性細気管支炎として急性に発症するものだけ知られていた.その後,1968年頃よりカナダのマクギル大学一派によって細気管支炎病変に対する形態学的,生理学的アプローチが進められ,新たにsmall airways diseaseなる概念が提唱されるようになった.すなわちMacklemら(1971)は高度の閉塞性障害と高炭酸ガス血症を伴う低酸素血症を認め,形態学的にsmall airwaysの狭窄と粘液栓塞,細気管支周囲の線維化などの病変を特徴とする"chronic obstructive diseaseof small airways"7例を報告している.それと相前後してわが国では,呼吸細気管支に病変の主座をおくびまん性汎細気管支炎(diffuse panbron-chiolitis, DPB)という一つの疾患概念が,山中,本間ら1)2)によって提唱された.
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