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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻13号

1984年12月発行

文献概要

今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患とは

病因

著者: 滝島任1

所属機関: 1東北大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2608 - P.2609

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COPDとは
 本邦では,慢性気管支炎,気管支喘息,肺気腫の三者を含めて慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれることが多いが,北米では気管支喘息を含めず,慢性閉塞性気管支炎と肺気腫のみをCOPDとして扱っている.すなわち,特異的な基礎疾患をもたず,慢性に不可逆的閉塞障害(chronic irreversible airflow limitation)を示すものをCOPDとして一括している.慢性気管支炎のなかには閉塞性障害を示さないものも多数存在するが,かかる症例は本部ではCOPDに入れられるが,北米では含められていない(図).このようにCOPDの概念には依然として混乱がみられる.
 気道の閉塞性障害は通常スパイログラフィーからえられる1秒率(呼気1秒量/肺活量×100[%])によって判定される.1秒率は年齢によって正常値が異なり,青年では高く老年では低下する.おおよそ70%以下であれば気道に閉塞性障害ありと診断される.1秒率70%以下をCOPD診断に必須の条件とすれば,喫煙者にみられるような単純型の慢性気管支炎の多くはCOPDから除外されることになる.しかし本邦では慢性気管支炎であれば一秒率の如何を問わず,直ちにCOPDに組み入れられているのは前述の通りである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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