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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻13号

1984年12月発行

文献概要

今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 診断的アプローチ

免疫学的背景

著者: 泉孝英1 西村浩一1

所属機関: 1京都大学結核胸部疾患研究所・内科第二

ページ範囲:P.2638 - P.2639

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 COPDとは,単純に原因不明の慢性の気道閉塞を示す疾患群に対して与えられた定義である.臨床の場では,咳嗽,喀痰,呼吸困難,進行性の呼吸不全を呈する患者を指す漠然とした用語として用いられて来たのが事実である.米国では,COPDは肺気腫(PE),慢性気管支炎(CB)を指す言葉として用いられている.我が国のいわゆるびまん性汎細気管支炎(DPB)は,この範疇に含まれるべき疾患であると考えられる.気管支喘息(BA)は,COPDなる用語が用いはじめられた当初(1962)はCOPDのなかに含まれていたが,Burrows,FletcherによるType A,Type B分けの提唱(1966)以降は,CB,PEとは比較的明確に鑑別されうる場合が多いとして,COPDからは除外され,アレルギー性疾患として取り扱われていることが多い.しかし,BAのすべてがアレルギー性疾患であるわけでもなく,また,CB,PE,あるいはDPBにおいて,BA様症状あるいは所見を呈する症例が少なくないことは,実際の臨床の場に携わっている者には周知の事実である.
 ここでは,BAがCOPDに含まれるか否かの議論はさておき,COPDの診断,アプローチに当たって承知しておかねばならない免疫学的所見,免疫学的背景について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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