文献詳細
今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
治療の進歩
文献概要
在宅酸素療法は,充分な加療により病態が安定状態に達しても,なお低酸素血症が持続し,日常生活の制限や入院生活を余儀なくされている慢性呼吸不全症例を対象としたリハビリテーションである.本療法により生存期間の延長することが,欧米の比較対照試験により示されている1,2).生存期間の延長につながることではあるが,肺循環動態,赤血球増多,精神神経機能などの病態の改善の報告もある.また,入院生活から解放され家庭生活を実現し,更には社会復帰も可能となるなど,生存の質の向上も本療法によりもたらされる.
欧米では,本療法の対象のほとんどが慢性閉塞性肺疾患症例であるが,筆者らは後述する適応基準を満たせば,原則的には基礎疾患は問わないと考えている.1984年7月末までの自験36例では,慢性閉塞性肺疾患は21例(58%)で,肺気腫症11例,びまん性汎細気管支炎(DPB)9例などからなっている.他の15例は,肺結核後遺症6例,間質性肺炎4例,気管支拡張症4例,肺塞栓症1例と,それぞれの症例数は少ないが疾患は多彩である.
欧米では,本療法の対象のほとんどが慢性閉塞性肺疾患症例であるが,筆者らは後述する適応基準を満たせば,原則的には基礎疾患は問わないと考えている.1984年7月末までの自験36例では,慢性閉塞性肺疾患は21例(58%)で,肺気腫症11例,びまん性汎細気管支炎(DPB)9例などからなっている.他の15例は,肺結核後遺症6例,間質性肺炎4例,気管支拡張症4例,肺塞栓症1例と,それぞれの症例数は少ないが疾患は多彩である.
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