文献詳細
文献概要
ベッドサイド 臨床医のための臨床薬理学マニュアル
三環系抗うつ剤
著者: 辻本豪三1 越前宏俊2 石崎高志2
所属機関: 1山梨医科大学 2国立病院医療センター
ページ範囲:P.2734 - P.2741
文献購入ページに移動多くの臨床報告,臨床試験から表1に示したような"有効血中濃度域"が各TCAについて提唱されており,また各種の型の血中濃度-臨床効果関係が各薬物で報告されている(例えば,nortriptylineのcurvilinearないしはU-shapeや,imipramineのlinear型,等1,2)).しかし,各データはあいまい,かつ結論の一貫性を欠き,血中濃度モニタリングが実際に有益であるという考えを支持しないものもかなりある2).これらのデータはその臨床試験の方法に種々の相違があり,一概に比較することは難しく,また同一グループの研究でもプラシボに対する反応(placebo response)やうつ状態自身の自然緩解,等の影響を正しく評価することは容易なことではない3).
掲載誌情報