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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻2号

1984年02月発行

文献概要

今月の主題 中枢神経系の感染症 中枢神経系感染症の臨床

中枢神経系の感染と髄液所見

著者: 大野良三1 濱口勝彦1

所属機関: 1埼玉医科大学・神経内科

ページ範囲:P.214 - P.215

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髄液圧および外観
 髄液圧の正常値は側臥位で50〜180mmH2O,坐位で280mmH20が上限とされる.中枢神経系感染症では,程度の差はあれ多くの場合髄液圧の上昇をきたすので,圧上昇のみでは診断的意義は少ない.ただし反復性の髄膜炎を呈するような症例で髄液圧の低下をみたら,髄液鼻漏その他の髄液漏の存在を考慮し,可能であれば脳槽シンチグラフィーを施行するとよい.
 正常髄液では外観は水様透明であるが,髄膜炎その他により髄液中の細胞成分が増加すると混濁を示し,また総蛋白の明らかな増加時や出血後ではキサントクロミーを示す.化膿性髄膜炎では多くの場合明らかな混濁を呈し,ときに膿性混濁となるが,結核性髄膜炎,真菌性髄膜炎,ウイルス性の髄膜炎や脳炎では,細胞数の著増を呈することが少ないので,日光に向けて透見し,初めて判別できる程度の混濁(日光微塵Sonnenstaubchen,sun dust)を示すのみであることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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