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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻2号

1984年02月発行

文献概要

今月の主題 中枢神経系の感染症 髄膜炎と脳炎

真菌性髄膜炎(クリプトコッカス)

著者: 栗原照幸1

所属機関: 1宮崎医科大学・第3内科

ページ範囲:P.232 - P.234

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 クリプトコッカス髄膜炎はCryptococcus neo-formansの感染による.この真菌は土壌の中にも,果物や皮膚の表面にも存在し,またヒトの腸管内にもある.本症の感染源として知られているハトの糞は窒素化合物や塩類が多く,アルカリ性でクリプトコッカスが生存し続けるので,これがヒトのクリプトコッコーシスの感染源となりやすく,乾燥したクリプトコッカス菌(1μmと小さくなっている)は大気を通じて肺胞へ入り感染する.クリプトコッカスはヒトの体内へ入るとすぐpolysaccharideを含むカプセルを作る.クリプトコッカスによる感染症の侵入門戸は肺が多く,咳やかぜ症状を認めたり,気管支肺炎や空洞などを主に下肺野に認めることもあるが,無症状の場合も多い.そして医師を訪ねるのは髄膜炎症状が出てからのことが多いのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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