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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻2号

1984年02月発行

文献概要

今月の主題 中枢神経系の感染症 スローウイルス感染症

PML

著者: 長嶋淑子1

所属機関: 1東京都立神経病院・神経内科

ページ範囲:P.274 - P.276

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 PML(progressive multifocal leukoencephalopathy:進行性多巣性白質脳症)は免疫能の低下した状態に見られる稀な中枢神経の脱髄性疾患である.文献上は1958年Astromら1)により初めて紹介され,今日まで100例あまりを数え,本邦では高橋らの報告(1965年)2)以来20例の剖検報告がある.本症の大多数に慢性リンパ性白血病,ホジキン病などのリンパ系悪性増殖性疾患,急性または慢性骨髄性白血病,結核,サルコイドーシスなど何らかの基礎疾患を有するとされていたが,まったく健康な個体に発症した例も少なくない.一方,SLEや腎移植後免疫抑制療法を受けたのち発症した例も報告されている.
 この疾患の原因はウイルスによる中枢神経系のopportunistic infection(日和見感染)と考えられている.起因ウイルスは本来腫瘍ウイルスであるpapova(papilloma-polyoma-vacuolating)virusesに属する新しい型のヒトウイルスと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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