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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻2号

1984年02月発行

文献概要

カラーグラフ 臨床医のための血液像

網状赤血球の増多を伴う貧血

著者: 原芳邦1

所属機関: 1茅ケ崎徳洲会病院・内科

ページ範囲:P.302 - P.303

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 末梢血中の網状赤血球数は,骨髄での赤血球産生の状態を表わす重要な指標となる.網状赤血球増多を見たら,まず出血か溶血性の貧血が考えられる.
 自己免疫性溶血性貧血 小型の球状赤血球(mi-crospherocyte)と網状赤血球の増多が特徴.球状赤血球は,自己抗体により障害を受けた細胞膜の一部が網内系の細胞に貪食され,血色素含量に比し細胞膜の小さくなった赤血球で,central pallorの消失した小型の細胞として認識される.図1にはこうした球状赤血球とともに,大型でややいびつで青味がかった赤血球が目につく.青味がかった色調は多染症(polychromatophilia)と呼ばれ,細胞質内に塩基性色素と親和性のあるRNAが多く含まれていることを意味し,幼若な赤血球,すなわち網状赤血球(reticulocyte)を表わす.網状赤血球を確実に知るためには,超生体染色でRNAの凝集した網状構造をもつ細胞の数を数える必要がある(図2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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