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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻3号

1984年03月発行

文献概要

今月の主題 腎疾患—早期診断から管理まで 質疑応答

ステロイド投与中に発熱をみたらどうするか

著者: 酒井紀1 金井達也1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学・第2内科

ページ範囲:P.464 - P.464

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 腎臓病のなかでステロイド療法が適応となる主な疾患は,ネフローゼ症候群を呈する一次性糸球体疾患をはじめ,腎症状を伴なう膠原病やその近縁疾患,特にループス腎炎や結節性多発性動脈炎などであるが,このほか薬剤による急性間質性腎炎,稀れではあるが多発性骨髄腫やサルコイドーシスに伴う高カルシウム血症,あるいは腎移植後の拒絶反応の防止などである.
 これらの腎疾患に対してステロイド投与中に発熱がみられた場合には,通常,3つの原因が考えられる.その第1は原疾患に対する長期のステロイド治療中に,ステロイド剤の重症副作用の一つである感染の誘発や感染の増悪を起こした場合.第2は原疾患のステロイド治療を中止あるいはステロイドの減量を急激に行なったために,ステロイド離脱症候群(withdrawal syndrome)をおこし,その全身症状として発熱した場合.第3は原疾患に対してステロイド治療を行なっているが,原疾患の増悪,再燃によって発熱した場合である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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