文献詳細
今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
抗アレルギー薬
文献概要
気管支平滑筋は交感神経と副交感神経の両者の支配をうけており,交感神経の興奮で気管支の拡張が,また副交感神経の興奮で収縮が起こる.アドレナリンで代表される交感神経作用薬はαとβの2つの受容体を介して作用を発現し,β受容体はさらにβ1とβ2の2つに分けられ,β1受容体の刺激で心刺激が,またβ2受容体の刺激で気管支および血管の拡張が起きる(表1).すなわち,喘息の治療に用いられる交感神経作用薬はβ受容体刺激薬(以下β刺激薬と略す)と称され,細胞膜に存在するadenyl cyclaseを活性化して細胞中のATPをcyclic AMPに変えることにより,気管支の拡張をきたす(図1).
近年,β1受容体への作用をもたないβ2選択的刺激薬の開発が次々となされてきた.これらの刺激薬はアドレナリンやイソプロテレノールなどと異なり,薬物代謝酵素であるCOMT(catechol-O-methyl transferase)やMAO(monoamine oxidase)の影響をうけにくく,経口投与でも長時間作用が持続するのが特徴である.現在市販されているβ刺激薬の特性を表2に示した.
近年,β1受容体への作用をもたないβ2選択的刺激薬の開発が次々となされてきた.これらの刺激薬はアドレナリンやイソプロテレノールなどと異なり,薬物代謝酵素であるCOMT(catechol-O-methyl transferase)やMAO(monoamine oxidase)の影響をうけにくく,経口投与でも長時間作用が持続するのが特徴である.現在市販されているβ刺激薬の特性を表2に示した.
掲載誌情報