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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻5号

1984年05月発行

文献概要

今月の主題 酸塩基平衡の異常 病態生理

呼吸性の異常(CO2の異常)

著者: 福地義之助1

所属機関: 1東京大学医学部・老年病学

ページ範囲:P.788 - P.791

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CO2産生,その運搬および処理機構
 生体活動に伴う1日のCO2の体内産生量は,正常な成人で300〜360l(約13,000〜16,000mEq/l)であり,組織代謝の結果生じたH+が細胞外液の重炭酸緩衝系にとり込まれた結果として生じるわけである.そのほとんどが血液中を肺まで運搬され,肺胞換気により大気中に放出される.このほかにもNH4+やH2PO4-などの滴定酸として腎臓より排出されるCO2もあるが,その量は1日あたりわずか50〜80mEq/l程度にすぎない.これらの諸因子を考慮して,CO2の組織から体外排出に至る移行経路は図1のごとくにまとめられる.図のようにCO2はほとんどが肺胞換気によって処理されている.したがって,動脈血中のCO2分圧(PaCO2)は主として肺胞換気量を直接的に反映する指標と考えてよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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