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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻5号

1984年05月発行

文献概要

今月の主題 酸塩基平衡の異常 臨床での酸塩基平衡異常

COLDとARDS

著者: 謝宗安1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部・麻酔学

ページ範囲:P.826 - P.828

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 COLD(chronic obstructlve lung disease;慢性閉塞性肺疾患)
 慢性安定期 COLDは慢性呼吸性アシドーシス(以下Acd)をきたす代表的疾患群であり,肺気腫,慢性気管支炎を中心に気管支喘息の一部,汎発性細気管支炎が含まれる.
 ガス交換異常は主に換気血流比の異常,すなわち血流に比べて肺胞換気量の減少は肺胞O2分圧の低下を,また血流の乏しい肺胞の増加は肺胞死腔の増加をもたらし,初期にはPaO2の低下のみ,つぎにはPaO2の低下とPacO2の上昇を示すようになる.慢性安定期ではPaCO2の上昇に対し,腎でのHCO3-の再吸収増加による代償が完了しており,その酸塩基平衡は図の慢性呼吸性Acdのsignificance band内に入る.このsignificance bandは慢性呼吸性Acdの臨床例や動物実験から採血し,多数の値から平均±2SEの95%信頼区間を求めたものである.HCO3-(BE),H(pH),PCO2の組み合わせから諸家のグラフが発表されている.電解質はHCO3-の増加により,塩素が細胞内から細胞外へ移動し(クロライドシフト)尿中に排泄され,低塩素血症を呈することが多い.代謝性アルカローシス(以下Alk)の合併例では塩素投与によりPaCO2の改善をみることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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