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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻5号

1984年05月発行

文献概要

今月の主題 酸塩基平衡の異常 臨床での酸塩基平衡異常

小児

著者: 飯高喜久雄1

所属機関: 1北里大学医学部・小児科

ページ範囲:P.838 - P.839

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 小児にみられる酸塩基平衡の異常も,呼吸性および代謝性の因子による複雑な影響を受け,さらにその変化に対する生体の代償作用が働き,多彩な病態が起きてくる.多くの場合一方の因子のみの障害より,その両方に障害を認める場合が多い.呼吸性および代謝性のアシドーシスやアルカローシスのみられる疾患を表にまとめてみた.
 年齢別に疾患をみてみると,新生児期にはIRDSによる呼吸性アシドーシスや副腎過形成の食塩喪失型,先天性代謝異常(とくに有機酸の代謝異常),anoxiaによる乳酸アシドーシスなどによる代謝性アシドーシスがみられ,生後2〜3週間ごろよりみられるものに先天性肥厚性幽門狭窄症がある.乳児期には下痢による代謝性アシドーシスが最も多く,尿細管性アシドーシスもこの時期に発見されることが多い.幼児や年長児になると,糖尿病のケトアシドーシスやアセトン血性嘔吐症のケトーシスなどの頻度が増加し,このほかサリチル酸中毒による代謝性アシドーシスや利尿剤の投与によるカリウム欠乏のための代謝性アルカローシスがみられるようになる.これらの疾患のうち,新生児,腎不全,糖尿病性ケトアシドーシスは各項で述べられるので,ここでは乳児下痢症,アセトン血性嘔吐症,サリチル酸中毒,先天性肥厚性幽門狭窄症など,小児における代表的疾患について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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