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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻5号

1984年05月発行

講座 Oncology・5

抗腫瘍剤—Ⅲ.抗腫瘍性抗生物質(1)

著者: 北原光夫12

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科 2慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.951 - P.955

文献概要

Doxorubicin,Daunorubicin
 最近の癌の化学療法における最も重要な進歩は,anthracycline系の誘導体であるdoxorubicin(adriamycin)とdaunorubicin(daunomycin)の開発であろう.これらの抗腫瘍剤は真菌であるStreptomyces Peucetius var,caesiusの生産物であり,赤い色をもっている.このグループに属する抗腫瘍剤は,アミノ配糖体構造とダウノサミン(daunosamine)の結合体である(図).
 doxorubicinとdaunorubicinの構造上の相違は,R2がdoxorubicinではCH2OHで,daunorubicinではCH3である.D環にはdaunosamineが結合しており,この構造が核酸の二重構造に入り込む(intercalation)うえで必要とされている.daunorubicinは急性白血病の治療にのみ使用されるが,doxorubicinはbroad spectrumの抗腫瘍剤で,白血病,リンパ腫,乳癌,軟部組織肉腫に対して有効性を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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