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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻6号

1984年06月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病診療の実際 診断

集団検診における糖尿病のスクリーニング

著者: 後藤由夫1

所属機関: 1東北大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.984 - P.986

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糖尿病に特異的な所見
 糖尿病はインスリン作用の不足による持続性の血糖上昇を主とする代謝異常があり,長い経過の間に特徴的な慢性合併症が起こる疾患である.その成因,発症機構,経過は多様なので,糖尿病と狭義に解するよりも,高血糖症(hyperglycemosisあるいはglycemosis)としてとらえ,いわゆる特発性糖尿病はその中の1つの病態と理解する方が考え方の整理に好都合である1).表1はこのような考えに立脚して高血糖症を整理したものである.筆者がこのような立場に立つのは,いわゆる特発性糖尿病に疾病特徴的な所見はなく,また特発性なる語そのものが現在の医学の不完全さを示すものであり,特発性といわれるものの中からつぎつぎに成因が解明されてゆく可能性が多いからである.高血糖は勿論のこと低インスリン血症,低インスリン反応,小血管瘤などはいろいろの病態で起こるものであり,また糖尿病に特異的な遺伝マーカーも現在知られていないので糖尿病のスクリーニングには高血糖と,それに付随する尿糖を指標にするのが一般的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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