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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻6号

1984年06月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病診療の実際 境界領域

糖尿病と感染症

著者: 北原光夫12

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科 2慶應義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.1038 - P.1039

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 インスリンが発見され,一般に使用されるようになる以前は,感染症は糖尿病の合併症として高い頻度をもち,死因の大きな部分を占めていた.しかし,近年入院を必要としない糖尿病患者でよくコントロールされていると,感染症の頻度は非糖尿病患者と同様であるといわれている.
 糖尿病患者の生体防御機能のうちで,異常であるのは好中球の機能だといわれる.抗体産生能(Bリンパ球機能),細胞免疫能(Tリンパ球機能)は正常である.好中球機能は遊走能と貪食能が低下しており,機能検査においてインスリンをin vitroで使用すると改善することが証明されている.よくコントロールされている患者から得た好中球は正常の機能を有することが明らかにされている.このように,感染症頻度の低下は糖尿病自体のコントロールによる点が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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