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文献詳細

雑誌文献

medicina21巻6号

1984年06月発行

文献概要

ベッドサイド 臨床医のための臨床薬理学マニュアル

フェニトイン(Phenytoin)

著者: 越前宏俊1 辻本豪三2 石崎高志3

所属機関: 1ボン大学 2山梨医科大学 3国立病院医療センター

ページ範囲:P.1124 - P.1130

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 疫学的な調査によれば,抗痙攣薬による薬物治療が必要な患者数は全人口当り,ほぼ0.5〜1.0%と言われている1).つまり日本全国では約50〜100万人の対象者がいることになる.したがって抗痙攣剤が日常臨床で用いられる頻度もきわめて高い.それら薬剤の中で,おそらく最も多く使用されているのがPhenytoin(フェニトイン,アレビアチン,ヒダントール)である.この薬剤は,脳および心臓において異所性の興奮電位の伝播を抑制するため,てんかんの治療,不整脈とくにDigoxin(ジゴキシン)中毒時の不整脈の治療に広く用いられてきた.これだけ広く使用されておりながら,Phenytoinこそは,おそらく投与計画設計が最も難しい薬物の一つである.なぜなら,(1)治療域が狭く,(2)患者間での薬物排泄能に大きな差があり,(3)代謝は主として肝臓で行なわれ,(4)その代謝は臨床治療域で飽和してしまうため,クリアランスが血中濃度に依存し変化し,(5)他の薬物との薬物相互作用が多く,(6)各製剤間でのBioavailabilityに差があるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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